上サロベツ原野,サロベツ原生花園 なのだ
サロベツ原生花園内の木道にて
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「サロベツ原生花園」は,かつて行われていた「泥炭(ピート)採取場跡地」とその周辺を,テリトリーとして建設された。
 この方角は,原生花園からほぼ西側であって,国土地理院の地形図では「湿原」のマーキングが施されている。

一部の木道の周辺は,「エゾカンゾウ(=ゼンテイカ=ニッコウキスゲ)」がかなり密生していた。
また,遠くをよく眺めると,一面「エゾカンゾウ」の大群落で,所々には白い「コバイケイソウ(小梅薫草)」も咲いてたる。
両方とも,比較的寒い地方の「湿原」を代表する 植物であり,確かにここは「サロベツ湿原」なのだ,と実感させられたのだった。
右後は,谷間に残雪がある「利尻富士」なのだ。

遠くの「エゾカンゾウ」を500mmクラスの望遠レンズで写してみた。
で,この群落の中に木道を,と思ったのだが,人が行くと植物全体がダメになるだろうから,作らない方が良いに決まっている。
湿原の再生実験場か?

 狭義の「サロベツ湿原」では,燃料用の「泥炭(ピート)」を採取するための浚渫工事が,1976年6月から始まったのだ。
とっくに終わっているのだが,問題は採取した跡地が「水路」になっていることで,当然何千年もかかって堆積した泥炭は消えてしまったのだ。
水路を掘削すると,周辺の地下水が水路に集まるので,結果的に「低層湿原」が「高層湿原」に変わってしまう。 植生が大きく変わったと思うよ。
で,これは,恐らく湿原再生実験を行っているところ,だろう。 未確認なので,自信は無いけど。 詳しくはこちらを参照されたい。
上サロベツ原野で見かけた花なのだ

(A)「ツルコケモモ」と言うのだが,果実はおなじみクランベリーなのだ。 (B)朱鷺の羽根の色に似ているので「トキソウ」と呼ばれる野生の蘭なのだ。
(C)水生植物の「ミツガシワ」。 水中から茎を出していた。 (D)湿生植物の「カキツバタ」。
(E)「ハナニナガ」。 花弁は7~11枚とのことだが,写真のは8枚だった。 (F)ちょっと貧弱な「ワタスゲ」の綿毛。
(G)咲き始めの「コバイケイソウ」。 体の全てにアルカロイド系の毒を持つという。
(H)まだら模様なので「エゾマイマイ」と勝手に信じているのだ。 (I)「オカモノアラガイ」という,れっきとしたカタツムリの仲間。 
最終編集:2022年07月06日