中部インド事情:これがデカン高原の玄武岩なのだ
撮影:2019年 3月 8日・ 9日 

[Aurangabad to Ajanta Caves]
メサ地形(テーブルマウンテン:台状地形)が随所に出現する。 左端部は階段状を呈しており,「Traps」の語源であろう。
Deccan Plateau[デカン高原]の表面は真っ平らだと思っていたら,現実は全く違っていた。 山あり谷あり階段ありである。
デカン高原は世界最大の溶岩台地(Deccan Traps)である。 「Traps」とは階段の意味で,それは「PhotoAir233」を見ればわかるのだ。
噴出したのは白亜紀の末期(6700-6500万年前)と古く,表面は風化されて「レグール土」という肥沃な黒土となっており,「綿花」の栽培に適しているのだ。 

[Aurangabad to Ajanta Caves]
テーブルマウンテンでも,馬蹄形に風化が進んでいる所もあるのだ。

[Aurangabad to Ajanta Caves]
道路工事で出現した玄武岩。 鉄分が酸化して鉄さび色を呈している。 亀裂によってブロック状になっている。

[アジャンタ石窟群:Ajanta Caves]。
デカン高原でしばしば見られるメサ状テーブルマウンテン。
中腹に存在する水平線は,ある時期の玄武岩溶岩の頂上線(ベルトと称す)。 崩積土砂で隠れているが,かなりのベルトが存在すると思う。

[アジャンタ石窟群:Ajanta Caves] 5本ないし6本の玄武岩ベルトが存在する。 玄武岩溶岩が噴出した時期が異なっている証拠なのだ。

[アジャンタ石窟群:Ajanta Caves] 中腹には,明瞭な玄武岩ベルトが存在している。

[アジャンタ石窟群:Ajanta Caves]
玄武岩溶岩をくり抜いて造営された石窟群の最奥部。

[アジャンタ石窟群:Ajanta Caves]
(左)亀裂を充てんしているのは沸石(ゼオライト:Zeolite)。 (右)「鑿の跡」だとしたら,空隙が多い玄武岩かもしれない。

[アジャンタ石窟群:Ajanta Caves]第19窟。
沸石(ゼオライト:Zeolite)の岩脈。 玄武岩の亀裂に入り込んで結晶化したらしい。

[アジャンタ石窟群:Ajanta Caves]
道路を拡幅するために切られた法面。 塊状になっている部分と,土砂状になっている部分がある。 風化の程度差かもしれない。

[Aurangabad to Ellora Caves]。 よく見るとゼノリスらしき岩塊も存在する。 いわゆる「マントル捕獲岩」というヤツね。

Aurangabad 近郊の「Bhangsigad」。 比高は150m程か。 顕著な玄武岩ベルトが1つあるが,階段は5つほどある。
「Traps」の語源である階段状の地形を呈している。 階段とは,かつて噴出した玄武岩が,層状に堆積?していることに由来する。

「Daulatabad」の町にある,ビュート地形の丘の上に造られた「Daulatabad Fort」。 日本で言う「山城」ですね。
玄武岩ベルトによる階段を城壁に加工したようだ。 

「Daulatabadi Fort」 宮殿は山の下に造られていたが,今は赤砂岩の塔と,レンガの廃墟が残るのみだ。

[Aurangabad to Ellora Caves] 「NH52」の途中に出現する切り土。 風化のため,殆ど「レグール土」になっているようだ。

「Ellora Caves」の近くにあるテーブルマウンテンの上。 風化のためか,凹状地形が存在する。 雨期には川になるのだね。

[エローラ石窟群:Ellora Caves]の一つ,ジャイナ教石窟寺院の入口。
天井の上に玄武岩ベルトがあり,かつてはそこが地表面だったのだ。

[エローラ石窟群:Ellora Caves]の一つ,ジャイナ教石窟寺院の内部。
左上から右下に亀裂があり,人工的に補修が行われている。 沸石の岩脈だったかもしれないなぁ。

[エローラ石窟群:Ellora Caves]の一つ,仏教の石窟寺院前から南のメサ地形を撮す。

[エローラ石窟群:Ellora Caves]。 斜めの亀裂があり,左右で岩質が違うような気がする。
亀裂から左は,崩壊した岩塊が積み重なっているようにも思えるが,全く調べていないのでわからない。 

[エローラ石窟群:Ellora Caves]仏教の石窟寺院。
 「残柱式横坑掘削方式」である。 現在の基準に比べて,やや柱が細いような気もするが,玄武岩の強度があれば問題は無い。
しかし,2階の庇は崩壊が激しい。 雨水の浸透による変色もあるので,亀裂か空隙が多いのかもしれない。
いずれにしても,直下に人が立ち入れないような防護柵などが無いのは,やはりインドだ。
最終編集:2021年08月08日