大谷石採取場跡地の陥没に伴う野外AE現象


 
 

11.アボイドマップと陥没予知 

 アボイドマップ(ハザードマップ)は災害予測地図と呼ばれ,地震時の液状化予想図や,土石流の発生範囲予想図などが一般的であって,最近では雲仙普賢岳の火砕流発生範囲予想図が有名となった。

 大谷石採取場跡地の陥没の場合では,数多く計算される発生位置から「防災上の線引き」を容易に行うために,100mメッシュに区切った区域別の野外AEの活動状況の図をアボイドマップと名付けている。

 図−18 は,D陥没地の陥没発生直前の約4ヶ月間に,どの区域で野外AEの活動状況が激しかったかを示したアボイドマップであるが,重ね書きした陥没の発生位置から明らかなように,前兆活動が最も激しい部分と陥没地は一致していた。

 図−19 は,E〜Gの陥没地の陥没直前の約5ヶ月間の集計結果である。 D陥没地と同様に,前兆活動が最も激しい部分と陥没地はほぼ一致していた。
 これらの事実から,野外AEの発生範囲内で陥没は発生し,陥没場所の予測に野外AEを使用することは有効であると評価することができる。
 


図−18 D陥没地のアボイドマップ

 

図−19 E〜G陥没地のアボイドマップ